ゼネコンの手形廃止はいつ?手形がなくなるとどうなるか|2026年の会社別一覧と、でんさい・現金払いへの切替

ゼネコンの手形廃止はいつ?手形がなくなるとどうなるか|2026年の会社別一覧と、でんさい・現金払いへの切替

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元請けから「手形をやめます」という通知が届いた。現金で早く入るのか、でんさいに変わるだけなのか、通知を読んでもはっきりしない。

廃止はいつからか、今の契約にも当てはまるか、手元の手形はいつまで使えるかなど、手形の廃止をめぐる疑問は、協力会社の多くが抱えている悩みです。

元請けごとに、変わる時期と変わったあとの形がかなり違います。

結論

  • 全国銀行協会によると、電子交換所での手形・小切手の交換は2027年3月31日で廃止。多くの銀行は最終振出期限を2026年9月30日にしている。
  • 大林組・竹中工務店・奥村組などは全額現金に切り替えた。熊谷組・東急建設・大成ロテックなどは、でんさい(電子記録債権)や期日現金払いに移った。
  • 全額現金なら入金が早まる。でんさいや期日現金払いなら、入金の日はほぼ変わらない。新しい条件は「新しい契約から」の会社が多い。
  • 切替の途中で入金まで待てないなら、でんさい割引や公庫への相談を先に。足りないときだけ、でんさいになる前の請求書の買取を考える。

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目次

ゼネコンの手形廃止はいつか:会社別の一覧(2026年10月)

会社手形廃止・切替の時期廃止後の形くわしく
大林組2026年4月以降に結ぶ新しい契約の支払い分から全額現金大林組の締め日・支払日
竹中工務店2026年9月25日以降に結ぶ新しい契約の支払い分から全額現金竹中工務店の締め日・支払日
奥村組2026年9月請求分(10月15日支払)から全額現金・保留金も廃止奥村組の締め日・支払日
大成建設2026年5月7日発表(適用日は別途案内)資本金3億円以下は全額現金大成建設の締め日・支払日
鹿島建設2026年3月末支払分から資本金10億円未満の外注払いは全額現金(材料等500万円以上は手形・でんさいが残る)鹿島建設の締め日・支払日
前田建設工業2023年5月15日払から全額現金前田建設工業の締め日・支払日
熊谷組2024年11月定時払請求書から支払手形を廃止し、でんさいに統一熊谷組の締め日・支払日
東急建設紙手形は2026年1月13日振出分が最後電子記録債権に全面移行東急建設の締め日・支払日
フジタ新規の取引先から順に手形相当分を電子記録債権へ(サイト・手形率は変わらない)フジタの締め日・支払日
NIPPO2021年4月分請求から全額現金NIPPOの締め日・支払日
大林道路2024年6月末日締め分から全額現金大林道路の締め日・支払日
世紀東急工業約束手形は2025年9月締め分で終了外注費は全額現金(2026年1月締めから)、ほかは電子記録債権か期日現金払い世紀東急工業の締め日・支払日
大成ロテック約束手形は2026年9月末で廃止電子記録債権か期日現金払い大成ロテックの締め日・支払日
きんでん2025年1月支払分から(資材費)資材費は全額現金(外注費は公開されていない)きんでんの締め日・支払日
三機工業2020年3月支払分から資本金4,000万円未満は全て現金三機工業の締め日・支払日
朝日工業社2026年6月検収分から現金100%朝日工業社の締め日・支払日
日比谷総合設備2026年1月検収分から現金100%日比谷総合設備の締め日・支払日
元請けの手形廃止と、廃止後の支払方法(各社の通知・2026年10月確認)

全額現金にした元請けは、手形廃止で入金が早まる

大手・準大手・道路・設備の各社で、手形(でんさいを含む)をやめて全額現金にする動きが続いた。時期と対象は会社ごとに違う。

会社対象時期の決め方
大林組すべての協力会社2026年4月以降に結ぶ新しい契約から
竹中工務店すべての協力会社2026年9月25日以降に結ぶ新しい契約から
奥村組すべての協力会社請求の月(2026年9月請求分)から
朝日工業社すべての取引先検収の月(2026年6月検収分)から。手形と定めた契約も対象
全額現金にした主な元請けの適用範囲

大林組は、手形支払い廃止・現金払いへの移行の発表で、一部の取引で使ってきた手形(電子記録債権を含む)をやめ、2026年4月以降に結ぶ新しい契約の支払い分から全額現金にするとしました。竹中工務店も2026年8月21日の通知で、9月25日以降の新しい契約から全額現金にしています。

奥村組は支払条件の見直しで、2026年9月請求分から手形払をやめ、出来高の10%を残す保留金もあわせて廃止しました。設備の朝日工業社は支払方法変更のお知らせで、すでに手形払いと定めた契約書・注文書も含めて現金100%にするとしています。

時期の決め方が「契約の日」か「請求や検収の月」かで、今の現場に当てはまるかが変わります。自社の注文書の日付と照らし合わせます。

ポイント

  • 全額現金にした会社が多い。
  • 「新しい契約から」と「請求・検収の月から」がある。
  • 注文書の日付と照らし合わせる。

でんさいや期日現金払いに移った元請けと、手形が残る取引

紙の手形はやめても、でんさい(電子記録債権)や期日現金払いに移っただけの会社もある。材料などで手形・でんさいのサイト60日が残る会社もある。

会社残る取引期日・サイトくわしく
日本道路材料費・設備投資(資本金4,000万円未満で50万円未満は現金)手形100%・サイト60日日本道路の締め日・支払日
西松建設振込・約束手形・電子記録債権がある(比率は公開されていない)原則60日西松建設の締め日・支払日
福田組生コン・鉄筋など手形等(手形・電子記録債権・期日現金払い)60日福田組の締め日・支払日
鹿島道路手形・ファクタリング払いの分サイト60日(2024年10月請求分から)鹿島道路の締め日・支払日
でんさい・手形が残る主な取引(2026年10月)

熊谷組は2024年8月のお知らせで、2024年11月の定時払請求書から支払手形を廃止し、でんさいに統一しました。東急建設は紙手形廃止に伴う電子記録債権への移行手続きで、紙の手形を2026年1月13日振出分で終え、2月10日振出分から電子記録債権に全面移行するとしています。

こうした会社では、紙がなくなっても、でんさいの期日までは現金にならない点は変わりません。フジタの電子記録債権によるお支払いの案内でも、電子記録債権に移っても契約書に書いた手形サイトと手形率は変わらないとしています。

日本道路は基本支払条件の変更で、外注費を現金100%にした一方、材料費と設備投資は手形100%・サイト60日としています。材料を納める取引では、手形やでんさいがまだ残る会社があるので、取引の種類ごとに確かめます。

ポイント

  • でんさいに移っただけの会社もある。
  • でんさいは期日まで現金にならない。
  • 材料の取引で手形・でんさいが残る会社がある。

紙の手形が廃止される理由:2027年3月末に電子交換所の手形交換が終わる

紙の手形が終わるまで 2021年6月 政府の計画に「廃止」が入る 2026年9月30日 多くの銀行の最終振出期限 2026年10月1日 振り出した手形は原則払えない 2027年3月31日 電子交換所の手形交換を廃止 多くの銀行の最終振出期限は、もう過ぎている
紙の手形は、2027年3月31日に電子交換所での交換が廃止されます。
日付できごと
2021年6月政府の成長戦略実行計画に「5年後の約束手形利用の廃止」が入る
2026年9月30日多くの銀行の最終振出期限(全銀協の一覧・2026年9月30日時点)
2026年10月1日以降その銀行で振り出された手形・小切手は、原則として当座勘定から支払えない
2027年3月31日電子交換所での手形・小切手の交換を廃止
紙の手形・小切手の廃止の日付(全国銀行協会)

2027年3月31日で、手形を交換する仕組みそのものがなくなる

全国銀行協会は、電子交換所での手形・小切手の交換を2027年3月31日で廃止するとしている。元請けの手形廃止の背景はここにある。

項目数字
手形・小切手の利用枚数ピーク時から約20分の1
でんさいの利用2019年から5年間で約2.5倍
2025年の交換枚数1,416万枚
最終振出期限を設定済み・予定の銀行交換枚数の84%(推計)を占める
手形・小切手の利用の数字(全国銀行協会)

紙の手形がなくなる大もとは、銀行どうしで手形を交換する仕組みの終わりです。全国銀行協会の電子交換所のページでは、2027年3月31日をもって電子交換所における手形・小切手の交換を廃止するとしています。

同協会の紙の手形・小切手利用廃止の特設ページによると、手形・小切手の利用枚数はピーク時から約20分の1に減り、でんさいの利用は2019年から5年間で約2.5倍に増えました。

2026年3月27日の調査報告書の公表では、2025年の交換枚数は1,416万枚で、交換枚数の84%(推計)を占める金融機関が最終振出期限を設定済みか予定としています。元請けの手形廃止は、銀行側の終わりに合わせた動きです。

ポイント

  • 2027年3月31日に電子交換所の交換が終わる。
  • 手形の利用は約20分の1に減った。
  • 元請けの手形廃止は銀行側に合わせた動き。

多くの銀行の最終振出期限は2026年9月30日で、もう過ぎている

最終振出期限を過ぎて振り出された手形は、原則として支払われない。2026年10月以降に紙の手形を受け取ったら、すぐ元請けに確かめる。

銀行最終振出期限
みずほ・三菱UFJ・三井住友・りそな・埼玉りそな2026年9月30日
横浜・千葉・静岡・京都・福岡・北洋 など2026年9月30日
三井住友信託銀行2027年3月31日
東京スター銀行2026年3月31日
主な銀行の最終振出期限(全銀協の一覧・2026年9月30日時点)

全国銀行協会の最終振出期限の一覧では、期限を公表している金融機関の多くが2026年9月30日を最終振出期限にしています。その金融機関では、10月1日以降に振り出された手形・小切手は、原則として当座勘定から支払えません。

千葉銀行は電子化に向けた取組みの案内で、期限を過ぎて振り出された手形は決済されなくなるとし、10月1日以降に受け取ったら振出銀行や振出人に決済方法を相談するよう案内しています。

2026年10月以降の日付の紙の手形を受け取ったら、そのまま持っていても現金にならないおそれがあります。受け取ったその場で元請けの経理に、ほかの支払方法に替えられないかを聞きます。

ポイント

  • 多くの銀行の最終振出期限は2026年9月30日。
  • 期限後に振り出された手形は原則支払われない。
  • 10月以降の手形は元請けにすぐ確かめる。

手形廃止を進める法律:取適法と建設業法(建設工事は建設業法)

法律対象手形についての決まり
取適法(2026年1月1日施行)製造・修理・運送などの委託、建設資材の販売など手形払いの禁止。満額を期日までに得にくい電子記録債権・ファクタリングも禁止
建設業法建設工事の下請負割引を受けにくい手形の交付の禁止。2024年11月1日以降は手形期間60日超で違反のおそれ
建設業法 第24条の3元請けから下請けへの支払い労務費に当たる部分は現金で払うよう配慮
手形にかかわる法律の決まり

取適法は手形払いを禁止したが、建設工事の下請負は対象外

2026年1月1日に下請法が取適法に変わり、手形払いが禁止された。ただし建設工事の下請負には取適法は適用されず、建設業法で扱う。

決まり中身
手形払い支払手段としての手形払いを禁止
電子記録債権・ファクタリング支払期日までに満額を得ることが難しいものは禁止
振込手数料受け取る側に負担させることを禁止
建設工事の下請負取適法は適用されない(公正取引委員会のQ&A;)
取適法の手形にかかわる決まり(中小企業庁・でんさいネットの案内)

中小企業庁の取適法の解説によると、下請法を改正した取適法が2026年1月1日に施行され、支払手段としての手形払いが禁止されました。電子記録債権やファクタリングも、支払期日までに手数料等を含む満額を得ることが難しいものは禁止です。

でんさいネットの取適法についてのよくあるご質問では、でんさいの満期日も原則として受領日から60日以内の支払期日内に設定するとしています。

ただし、公正取引委員会の取適法のよくある質問では、建設工事の下請負には取適法は適用されないとしています。建設資材の販売や製造の委託は対象になりうるので、材料を納める取引か、工事を請け負う取引かで、当てはまる法律が変わります。

ポイント

  • 取適法は2026年1月1日から手形払いを禁止。
  • 建設工事の下請負は取適法の対象外。
  • 材料の販売などは対象になりうる。

建設業法では、手形期間60日を超える手形は違反のおそれ

国土交通省は、2024年11月1日以降に交付される手形は、手形期間が60日を超えると割引を受けにくい手形として違反のおそれがあるとした。

決まり中身
第24条の6第3項特定建設業者は、割引を受けにくい手形を下請けに交付してはならない
割引を受けにくい手形の線従来は120日超。2024年11月1日以降に交付する手形は60日超で違反のおそれ
ガイドライン第8版大部分を手形払い、長い手形期間で払うのは望ましくない
第24条の3第2項労務費に当たる部分は現金で払うよう配慮
建設業法の手形にかかわる決まり(国土交通省)

国土交通省の手形期間の短縮についての通知では、2024年11月1日以降に交付される手形は、手形期間が60日を超えると、建設業法が禁じる割引を受けにくい手形として違反のおそれがあるとしました。

同省の建設業法令遵守ガイドライン(第8版)は、請負代金の大部分を手形で払うことや、手形期間の長い手形で払うことを望ましくない例としています。建設業界でも、約束手形の利用廃止に向けて、前金払の充実、振込払いへの移行、支払サイトの短縮に努めるよう求めています。

60日の線が、でんさい(電子記録債権)にもそのまま当てはまると書いた国土交通省の資料は見つかりませんでした。でんさいの期日が長いと感じたら、元請けに理由を聞きます。

ポイント

  • 2024年11月以降は手形期間60日超で違反のおそれ。
  • 大部分を手形で払うのは望ましくない例。
  • でんさいへの当てはめは資料で確かめられない。

手形廃止でどうなる:全額現金になると、入金はどれだけ早まるか

手形から全額現金になると(例) 手形(サイト60日) 翌月末に振出 約2か月後の期日 に現金 全額現金 翌月末 に現金で入る 手形の期日の分(約2か月)が縮む
手形から全額現金に変わると、手形の期日の分(約2か月)だけ入金が早まります。
支払方法支払日現金になる日
手形(サイト60日)翌月末に振出振出から約2か月後の期日
でんさい(期日60日)翌月末に発生約2か月後の支払期日に自動入金
期日現金払い翌月末の支払日に通知約2か月後の期日に振込
全額現金翌月末翌月末
手形と全額現金の入金の違い(例・計算)

全額現金なら、手形の期日の分(約2か月)が縮む

手形やでんさいのサイトが60日なら、全額現金に変わると、その分だけ現金が早く入る。大成建設は資本金3億円以下の協力会社について最大80日の短縮を発表した。

会社中身
大成建設資本金3億円以下の協力会社は手形等を廃止し、支払サイトを最大80日短縮
奥村組手形払(手形期間60日)と保留金(出来高の10%)を廃止
鹿島建設資本金10億円未満の外注払いを金額にかかわらず全額現金
全額現金化による短縮の例(各社の発表)

手形廃止でいちばん変わるのは、現金になる日です。手形やでんさいのサイトが60日なら、全額現金に変わったとき、その約2か月分だけ早く現金が手元に入ることになります。

大成建設は2026年5月7日の支払条件の見直しで、資本金3億円以下の協力会社について、手形等をやめて全額現金にし、支払サイトを最大80日短くすると発表しました。適用の日は、発表では別途案内するとされています。

鹿島建設の全社統一の支払条件では、2026年3月末の支払分から、資本金10億円未満の会社の外注払いが金額にかかわらず全額現金になりました。資本金の線は会社ごとに違うので、自社の資本金と照らし合わせます。

ポイント

  • 全額現金なら手形の期日の分が縮む。
  • 大成建設は最大80日短縮(資本金3億円以下)。
  • 資本金の線は会社ごとに違う。

「新しい契約から」の会社では、前からの現場は手形のまま残ることがある

大林組・竹中工務店は新しい契約から全額現金。それより前の契約の扱いは発表に書かれていない。前からの現場の支払方法は元請けに確かめる。

会社適用の範囲前からの契約
大林組2026年4月以降に結ぶ新しい契約発表に書かれていない
竹中工務店2026年9月25日以降に結ぶ新しい契約発表に書かれていない
鹿島建設既契約も含めて2026年3月末支払分から対象
朝日工業社2026年6月検収分から手形と定めた契約書・注文書も対象
適用の範囲の違い(各社の発表)

手形廃止の通知を読むときは、どの契約から当てはまるかを必ず見ます。大林組と竹中工務店は、新しく結ぶ契約から全額現金にするとしていて、それより前の契約の扱いは発表に書かれていません。

一方、鹿島建設は既に結んだ契約も含めて2026年3月末の支払分から、朝日工業社は手形払いと定めた契約書・注文書も含めて、新しい条件にしています。工期の長い現場ほど、古い条件のまま手形やでんさいが続くことがあります。

元請けの経理に支払方法を確かめるときの文面(例)

◯◯工事(注文書の日付:◯年◯月◯日)でお世話になっている△△です。
貴社の手形廃止のお知らせを拝見しました。この工事の支払いは、いつの請求分から全額現金になりますか。
手形・でんさいで残る分があれば、その割合と期日も教えてください。

ポイント

  • 「新しい契約から」の会社がある。
  • 前からの契約の扱いは元請けに聞く。
  • 工期の長い現場は古い条件が続くことがある。

手形廃止でどうなる:でんさい・期日現金払いに変わる場合

方法お金が入る日期日前に現金にする方法
紙の手形期日(銀行で取り立て)銀行の手形割引(終わる銀行が多い)
でんさい支払期日に口座へ自動入金銀行のでんさい割引・譲渡
期日現金払い手形・でんさいの期日と同じ日に振込なし(請求書の段階で考える)
全額現金支払日要らない
紙の手形と、置きかわる支払方法

でんさいは、支払期日に自動で入金され、割引や分割もできる

でんさいは紙の手形と違い、取立ての手続きが要らない。期日前に割り引いたり、必要な分だけ分けて仕入れ先に回したりできる。受け取るだけでも利用の申込が要る。

項目中身
入金支払期日に口座へ自動入金(取立ては不要)
期日前譲渡や割引ができ、必要な分だけ分割して使える
使い始め取引銀行に申し込み、審査を経て利用契約
相手支払う側と受け取る側の双方が利用者である必要
でんさいを受け取るときの要点(でんさいネットの案内)

でんさいネットの受取利用の案内では、でんさいは支払期日に口座へ自動で入金され、取立ての手続きは要らないとしています。期日前に譲渡や割引ができ、必要な分だけ分けて使えます。

使い始めるには、でんさいネットのよくあるご質問のとおり、取引銀行に申し込んで審査を受け、利用契約を結びます。受け取るだけの会社でも、でんさいの申込が要ると、北洋銀行も案内しています。

元請けによっては、受け取る側の申込書の締切が決まっています。東急建設のでんさい(でんさいライト)受取申込書は、毎月20日までに出すと翌月の支払から反映されます。元請けから案内が来たら、早めに出します。

ポイント

  • でんさいは支払期日に自動入金。
  • 期日前に割引・分割・譲渡ができる。
  • 受け取るだけでも申込が要る。

期日現金払いは、手形の期日の日に振り込まれる

期日現金払いは、手形やでんさいの代わりに、その期日の日に現金を振り込む形。紙はなくなるが、入金の日は手形と同じで早くはならない。

会社中身
大成ロテック電子記録債権を希望しないなら期日現金払い(電子記録債権の決済日と同じ日に振込)
世紀東急工業電子記録債権の申込みがなければ期日現金払い(電子記録債権の決済期日に振込)
福田組「手形等」に手形・電子記録債権・期日現金払いを含む
期日現金払いを選べる元請けの例

大成ロテックは約束手形による支払の廃止のお知らせで、2026年9月末で約束手形をやめ、電子記録債権を希望しない場合は期日現金払いにするとしています。期日現金払いの入金は、電子記録債権の決済日と同じ日です。

世紀東急工業も約束手形での支払完全廃止のお知らせで、手形を2025年9月締め分で終え、電子記録債権の申込みがない取引先には期日現金払いにするとしました。

期日現金払いは、紙の手形がなくなるだけで、入金の日は早くなりません。期日前にお金が要るなら、でんさいを選んで銀行の割引を使うか、請求書の段階で手を考えるかを比べます。

ポイント

  • 期日現金払いは手形の期日に振込。
  • 入金の日は早くならない。
  • 期日前に要るならでんさいの割引と比べる。

手形廃止のあと、手元に残る紙の手形と手形割引の扱い

銀行終わること
三菱UFJ銀行2027年4月以降を期日とする手形の代金取立は、2024年1月4日から受付を終了
京都銀行手形割引の受付を2026年9月30日で終了(代わりにでんさい割引を案内)
みずほ銀行2027年4月1日以降を支払期日とする紙の手形割引の新規受付を停止
千葉銀行最終振出期限を過ぎて振り出された手形は決済されない
手元の紙の手形について銀行が終えていること(各行の案内)

2027年4月以降が期日の手形は、取り立てられないことがある

電子交換所の交換が2027年3月末で終わるため、それより後が期日の手形の取立てを受け付けない銀行がある。手元の手形の期日を確かめる。

確かめること理由
支払期日2027年4月以降なら取立てを受け付けない銀行がある
振出日最終振出期限(多くは2026年9月30日)より後なら原則支払われない
支払銀行銀行ごとに期限と扱いが違う
手元の紙の手形で確かめること

三菱UFJ銀行の手形・小切手の電子化の案内では、2027年4月以降を期日とする手形の代金取立を、2024年1月4日から受け付けていません。交換の仕組みが2027年3月末で終わるためです。

手元に紙の手形があるなら、支払期日・振出日・支払銀行の3つを見ます。期日が2027年4月以降、または振出日が最終振出期限より後なら、振り出した元請けにほかの支払方法に替えてもらえないか相談します。

自社が紙の手形で支払う側でもあるなら、同じ期限が当てはまります。手形帳の発行を終えた銀行も多く、支払いの方法も切り替えが必要です。

ポイント

  • 2027年4月以降が期日の手形は取立てに注意。
  • 支払期日・振出日・支払銀行を見る。
  • 問題があれば振出人に替えてもらう。

手形割引は終わり、でんさい割引に移る

紙の手形割引の受付を終える銀行が増えた。期日前に現金にするなら、でんさいで受け取り、銀行のでんさい割引を使う形になる。

銀行中身
京都銀行手形割引の受付終了(2026年9月30日)。でんさい割引の利用を案内
みずほ銀行2027年4月1日以降が期日の紙の手形割引は新規受付停止。期日前の資金化は融資取引として支店に相談
でんさいネットでんさいの割引は各金融機関のサービス。条件は窓口の銀行に照会
手形割引からでんさい割引への切替(各行の案内)

京都銀行は手形割引の受け付け終了のお知らせで、2026年9月30日で手形割引の受付を終え、代わりの手段として「でんさい割引」を案内しています。みずほ銀行の法人向けFAQでも、2027年4月1日以降を支払期日とする紙の手形割引の新規受付を止めています。

でんさいネットの割引についてのよくあるご質問では、でんさいの割引は手形の割引と同じく各金融機関が独自に提供するサービスで、条件は窓口の金融機関に聞くよう案内しています。割引料の率は、確かめた銀行のページでは公開されていません。

手形割引を使ってきた会社は、取引銀行ででんさい割引の枠が使えるかを先に聞いておきます。でんさいで受け取る元請けが増えるほど、割引の枠の有無が資金繰りに効きます。

ポイント

  • 紙の手形割引は終わる銀行が増えた。
  • 代わりは銀行のでんさい割引。
  • 割引の枠を先に取引銀行に聞く。

手形廃止の通知が来たら、自社の支払方法を確かめる手順

順番確かめること見る書類
1いつの契約・請求から変わるか元請けの通知、注文書の日付
2変わったあとの形(全額現金・でんさい・期日現金払い)通知、支払通知
3資本金や取引の種類で扱いが違うか通知、取引先の登録票
4でんさいの申込や口座の登録が要るか元請けの申込書、取引銀行
手形廃止の通知が来たら確かめること

通知・注文書・支払通知の3つで、自社の条件を読み取る

元請けの通知には、全体の決まりしか書かれていない。自社の現場に当てはまるかは、注文書の日付と、届いた支払通知の内訳で確かめる。

書類分かること
元請けの手形廃止の通知いつから、どの会社・取引が、どの形になるか
注文書(注文請書)契約の日付と、契約で決めた支払条件
支払通知実際に現金・でんさいがいくらずつか
3つの書類から分かること

手形廃止の通知は、全部の協力会社に向けた決まりです。自社の現場に当てはまるかを知るには、注文書の日付と、毎月届く支払通知の内訳をあわせて見ます。

変わったはずの月の支払通知に、まだ手形やでんさいの金額が載っていたら、契約の日付や取引の種類で対象外になっていないかを確かめます。資本金で扱いが分かれる元請けでは、登録された資本金が古いままのこともあります。

でんさいや期日現金払いに変わるなら、入金の日がいつになるかも確かめます。元請けごとの締め日・支払日の決まりは、一覧の「くわしく」の列のページにまとめています。

ポイント

  • 通知・注文書・支払通知をあわせて見る。
  • 手形が残っていたら対象外の理由を確かめる。
  • 登録された資本金が古くないかも見る。

でんさいで受け取るなら、元請けへの登録と取引銀行の申込を先に

でんさいで受け取るには、元請けへの口座の登録と、取引銀行でのでんさいの利用の申込の両方が要る。どちらかが遅れると、受け取りが期日現金払いや翌月に回ることがある。

準備中身
取引銀行への申込でんさいの利用の申込と審査(受け取るだけでも必要)
元請けへの登録受取申込書・口座登録票などを出す(締切がある会社あり)
割引の枠期日前に現金にしたいなら、でんさい割引が使えるかを聞く
でんさいの受け取りの準備

でんさいで受け取るには、取引銀行でのでんさいの利用の申込と、元請けへの受取口座の登録の2つが要ります。北洋銀行は電子化に向けた対応のお知らせで、受け取るだけでも、でんさいサービスの申込が必要としています。

申込が間に合わないと、元請けによっては期日現金払いになったり、反映が翌月以降になったりします。通知が来たら、まず取引銀行に申し込み、利用者番号が出たら元請けに登録する順番で進めます。

取引銀行に申し込むときに、でんさい割引が使えるかもあわせて聞いておきます。割引は審査があり、すぐには使えないことがあります。

ポイント

  • 取引銀行の申込と元請けへの登録の両方が要る。
  • 遅れると期日現金払いや翌月に回る。
  • 割引が使えるかも一緒に聞く。

手形廃止の切替の途中で、入金まで待てないとき

順番手費用
1全額現金の対象になる請求か元請けに確かめるなし
2受け取ったでんさいを取引銀行で割り引く割引料と手数料
3日本政策金融公庫・取引銀行に運転資金を相談する利息
4でんさいになる前の請求書を、入金日より前に買い取ってもらう手数料(見積もりで確かめる)
手形廃止の切替の途中で待てないときの順番

まず元請けへの確認と、でんさい割引・公庫への相談

全額現金の対象になっていないか元請けに確かめ、でんさいなら取引銀行の割引を使う。入金が遅くなったなら、公庫のセーフティネット貸付も候補。

手向く人
元請けに対象かを確かめる新しい条件が当てはまるはずなのに手形・でんさいが残る人
でんさい割引でんさいで受け取っていて、取引銀行に割引の枠がある人
日本政策金融公庫のセーフティネット貸付取引条件が0.1か月以上悪くなった人(公庫の判断)
手数料のかからない手・費用の安い手

手形廃止の切替の途中では、本当は全額現金の対象なのに、登録や契約の日付の都合で手形やでんさいが残っていることがあります。まず元請けに、自社の請求が新しい条件の対象かを確かめます。

でんさいで受け取った分は、取引銀行のでんさい割引が第一の手です。日本政策金融公庫の経営環境変化対応資金は、回収条件が長くなるなどで取引条件が0.1か月以上悪くなった方を対象の例にしています。当てはまるかは公庫が判断します。

元請けごとの入金の決まりと、待てないときの手の順番は、ゼネコンの入金が遅い・待てないときにまとめています。期日まで待てる人、全額現金になって足りる人は、何もしなくて大丈夫です。

ポイント

  • まず全額現金の対象かを元請けに確かめる。
  • でんさいは取引銀行の割引が第一。
  • 待てる人は何もしなくてよい。

でんさいになる前の請求書なら、買取を考えられる

請求書の買取は、でんさいになる前の請求書(売掛金)が対象。受け取ったでんさいそのものを売る話ではない。一人親方や30万円以下は日本資金支援センター、500万円超はアクセルファクター。

請求書と事業の形合う買取先各社の案内
30万円以下の請求書日本資金支援センター法人と個人事業主、上限500万円
30万円超〜500万円の一人親方・個人事業主日本資金支援センターから、アクセルファクターも両社とも個人事業主も対象
30万円超〜500万円の法人アクセルファクターから、日本資金支援センターも見積もりの手取りで比べる
500万円超の請求書アクセルファクター日本資金支援センターの上限を超える
手形廃止の途中で請求書を売る先の目安

銀行の割引や公庫への相談で足りないときは、元請けに出したばかりの、まだでんさいや手形になっていない請求書を、入金日より前に買い取ってもらう方法があります。手元のでんさいそのものを買い取る、とは考えないでください。

日本資金支援センターはサービスの案内で、法人と個人事業主を対象に、500万円までの請求書を2者間で買い取るとしています。アクセルファクターは審査に必要な書類の案内で、売掛金が分かる請求書など、入金が分かる預金通帳、代表者の身分証明書を原則の書類にしています。

手数料は請求書や取引の内容で決まり、借入や割引より高くつくこともあります。見積もりの手取りで、材料屋や外注先への支払いに間に合うかを計算してから決めます。

手形廃止の切替の途中で入金まで待てないなら

事業の形と請求額を選ぶと、断られにくい買取先が分かります。

ポイント

  • 対象はでんさいになる前の請求書。
  • 一人親方・30万円以下の請求書は日本資金支援センターを先に見る。
  • 見積もりの手取りで間に合うかを計算する。

手形廃止の切替の途中で、入金まで待てないとき

元請けへの確認、でんさい割引、公庫への相談でも足りないなら、でんさいになる前の請求書を入金日より前に買い取ってもらう方法があります。事業の形と請求額を選んでください。

工事の約款には、工事代金を受け取る権利の譲渡を禁じる決まりがあることがあります。請求書の買取を使う前に、注文書・約款のその決まりと、その場合でも扱えるかを買取先に確かめてください。

出典・確認した情報(2026年10月確認)

締め日・支払日・支払方法は、各社が協力会社向けに公開している情報を確認した時点のものです。契約ごとに条件が違うことがあるため、注文書・契約書と各社の協力会社向けページでご確認ください。

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