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月末に職人と外注先へ払う日が来るのに、元請けからの入金はその先。通帳の残高を見て手が止まる。
職人への支払いを遅らせてよいのか、何日なら待ってもらえるのか、今から何をすれば間に合うのかなど、外注費が払えない場面は協力会社や一人親方の多くが抱える悩みです。
支払日まであと何日あるかで、間に合う手ははっきり分かれます。
結論
- 最初に、外注先・職人への支払日と、元請けからの入金日を並べて、何日・いくら足りないかを出す。
- 自社が外注先に払う下請代金は、建設業法で、元請けから支払いを受けた日から1か月以内。特定建設業者が払う側なら引渡しの申出から50日以内で、遅れると年14.6%の遅延利息。従業員の給料は毎月1回以上・決めた日に全額払う決まりで、遅らせる相談の対象にしない。
- 支払日まで1週間以上あれば、外注先への相談・元請けへの部分払いの相談・でんさい割引・融資。今日〜3日しかないなら、元請けあての請求書の買取が間に合う手。
- 請求書の買取は、30万円以下ならペイトナー、超えるなら一人親方は日本資金支援センター、法人はアクセルファクター。毎月足りないなら、支払条件と融資を見直す。
外注費の支払日に、入金が間に合わないとき
元請けあての請求書を、入金日より前に買い取ってもらう方法があります。借入ではありません。
事業の形と請求額を選ぶと、断られにくい買取先が分かります。
見積もりは無料。契約しなければ費用はかかりません。
外注費が払えないときは、支払日と元請けの入金日を並べて不足を出す
| 確かめること | 見る書類 |
|---|---|
| 外注先・職人に払う日と金額 | 外注先との注文書・請書、職人の給料の締め日と支払日 |
| 元請けから入る日と金額 | 元請けの注文書の支払条件、支払通知書 |
| 手元のお金 | 通帳の残高、その日までに入るほかの入金 |
| ずれの日数と不足額 | 支払日 − 入金日、支払額 − 手元のお金 |
元請けの締め日と支払日で、入金日がいつになるかを先に決める
入金日は元請けの締め日と支払日で決まる。同じ10月の工事でも、元請けによって入金は11月半ばから12月10日まで開く。
| 元請け | 締め日・支払日 | 10月分の入金日(計算) |
|---|---|---|
| 前田建設工業 | 20日締め・翌月15日 | 10月20日締め → 11月15日 |
| 鹿島建設(書面の材料・外注) | 15日締め・翌月末 | 10月15日締め → 11月30日 |
| 日本道路 | 月末締め・翌々月10日 | 10月31日締め → 12月10日 |
外注費が払えるかどうかは、元請けのお金がいつ入るかで決まります。注文書の支払条件にある締め日と支払日から、入金日を日付で書き出します。
前田建設工業は支払条件変更のお知らせで20日締め・翌月15日の現金払いとしています。鹿島建設は支払条件の通知で、書面で請求する材料・外注を15日締め・翌月末払いとしています。
日本道路は基本支払条件で月末締め・翌々月10日払いです。外注費・経費は現金100%なので、入金日にそのまま使えます。ほかの元請けは鹿島建設の締め日と支払日など、元請けごとのページに締め日と支払日をまとめています。
ポイント
- 入金日は注文書の支払条件から出す。
- 元請けによって入金日は1か月近く違う。
- 現金か手形・でんさいかも見る。
ずれの日数と不足額を出すと、使える手が絞れる
外注費の支払日が入金日より何日早いか、いくら足りないか。日数で手が決まり、金額で買取先が決まる。
| 条件 | 数字 |
|---|---|
| 外注先への支払日 | 11月10日 |
| 元請けの入金日 | 11月30日(鹿島建設の書面の外注、10月15日締め) |
| ずれの日数 | 20日 |
| 外注費 250万円・手元 150万円 | 不足 100万円 |
ずれの日数は、外注費の支払日から元請けの入金日までの日数です。日数が分かれば、間に合う手と間に合わない手が分かれます。
不足額は、払う額から、その日までに手元にあるお金を引いた金額です。外注費250万円に対して手元が150万円なら、不足は100万円です(計算)。
「なんとなく足りない」のまま外注先に話すと、待ってほしい日も金額も伝えられません。数字を2つ出してから動きます。ページ上の診断で、締め日と支払日を選ぶと入金日が出ます。
ポイント
- ずれの日数で手を選ぶ。
- 不足額で買取先や相談の額を決める。
- 数字を出してから外注先に話す。
外注費が払えないとき、建設業法で決まっている下請代金の支払期限
| 決まり | 中身 |
|---|---|
| 第24条の3 第1項 | 元請けから支払いを受けた日から1か月以内の、できる限り短い期間内に払う |
| 第24条の3 第2項 | 労務費に当たる分は現金で払うよう適切に配慮する |
| 第24条の6 第1項 | 特定建設業者が払う側なら、引渡しの申出の日から50日以内で期日を定める |
| 第24条の6 第4項 | 50日を過ぎて払わないと遅延利息(年14.6%) |
外注先への下請代金は、元請けから受け取った日から1か月以内
自社が元請けとして外注先に払う下請代金は、注文者から支払いを受けた日から1か月以内の、できる限り短い期間内。
| 場面 | 払う期限 |
|---|---|
| 元請けから出来高の支払いを受けた | その出来高に相応する下請代金を、受けた日から1か月以内 |
| 工事の完成後の支払いを受けた | 外注先の施工分を、受けた日から1か月以内 |
| 外注先との注文書で決めた支払日 | 決めた日に払う(1か月以内より早いことが多い) |
協力会社でも、自分がさらに外注先に仕事を出していれば、建設業法では「元請負人」です。国土交通省の建設業法令遵守ガイドラインは、第24条の3として、注文者から支払いを受けたら、下請代金をその日から1か月以内のできる限り短い期間内に払うと説明しています。
同じガイドラインは、元請けから出来高の支払いを受けたのに1か月以内に外注先へ払わない例を、違反のおそれがある行為に挙げています。お金が入ったのに外注先に回さないことは、資金繰りの手として使えません。
一方で、外注先との注文書で決めた支払日は、多くの場合それより早い日です。外注費が払えない場面の多くは、元請けの入金より前に、約束した支払日が来るときに起きます。
ポイント
- 自社が外注に出せば「元請負人」。
- 受け取ってから1か月以内に払う。
- 注文書で決めた日はそれより早いことが多い。
特定建設業者は50日以内、過ぎると年14.6%の遅延利息
特定建設業者が一般建設業者に払う下請代金は、引渡しの申出から50日以内。過ぎた日数には年14.6%の遅延利息。
| 払う側 | 受け取る側 | 当てはまるか |
|---|---|---|
| 特定建設業者 | 一般建設業者(資本金4,000万円未満) | 当てはまる |
| 特定建設業者 | 特定建設業者・資本金4,000万円以上の法人 | 当てはまらない |
| 一般建設業者 | どの相手でも | 当てはまらない(第24条の3は当てはまる) |
払う側が特定建設業の許可を持つ会社で、外注先が資本金4,000万円未満の一般建設業者なら、第24条の6も当てはまります。注文者から入金があるかどうかに関係なく、外注先が引渡しを申し出た日から50日以内で支払期日を決めます。
支払期限は、注文者から支払いを受けてから1か月を経過する日と、50日以内で決めた日の、早いほうです。期日までに払わないと、50日を過ぎた日から払う日までの日数で遅延利息がかかり、率は建設業法施行規則 第14条で年14.6%です。
100万円の支払いが30日遅れると、遅延利息は約1万2,000円です(100万円×14.6%×30日÷365日の計算)。一般建設業の許可だけの会社には第24条の6は当てはまりませんが、外注先との契約に遅延利息の決まりがあれば、その率がかかります。
ポイント
- 特定建設業者は50日以内。
- 遅れると年14.6%の遅延利息。
- 一般建設業者も契約の遅延利息を確かめる。
職人の給料と一人親方への外注費は、払えないときの決まりが違う
| 払う相手 | 決まり | 遅らせる相談 |
|---|---|---|
| 雇っている職人(従業員)の給料 | 労働基準法 第24条:毎月1回以上、決めた日に全額を通貨で | できない。給料日に払う |
| 一人親方・会社の外注先への外注費 | 建設業法 第24条の3・第24条の6、外注先との契約 | 支払日の前に相談 |
| 従業員のいない一人親方(自社に従業員がいる場合) | フリーランス法:受け取った日から60日以内で期日を決める | 期日を守る。相談は早めに |
雇っている職人の給料は、決めた日に全額を払う
従業員の給料は、労働基準法で毎月1回以上・一定の期日に全額を払う決まり。外注費とは別に先に確保する。
| 項目 | 従業員の給料 | 外注費 |
|---|---|---|
| 法律 | 労働基準法 | 建設業法・契約 |
| 支払日 | 毎月1回以上、一定の期日 | 外注先との注文書で決めた日 |
| 払い方 | 通貨で、直接、全額 | 契約で決めた方法(労務費分は現金に配慮) |
職人を雇っているなら、その給料は外注費ではなく賃金です。労働基準法 第24条は、賃金を通貨で直接労働者に全額払うこと、毎月1回以上、一定の期日を決めて払うことを定めています。
給料日をずらす・一部だけ払うといったことは、外注費の相談と同じようにはできません。資金繰りの表では、給料を一番先に確保する支払いとして扱います。
足りないお金は、給料ではなく外注費・材料費の支払日の相談と、入金を早める手で埋めます。
ポイント
- 給料は毎月決めた日に全額。
- 給料日をずらす相談はしない。
- 給料を一番先に確保する。
従業員のいない一人親方に外注するなら、60日の期日も確かめる
自社に従業員がいて、従業員のいない一人親方に仕事を出すなら、フリーランス法の支払期日(受け取った日から60日以内)も確かめる。
| 場面 | 支払期日 |
|---|---|
| 一人親方の仕事を受け取った(検査の有無は問わない) | 受け取った日から60日以内のできる限り短い期間内 |
| 元請けの仕事を再委託し、必要な事項を一人親方に示した | 元請けの支払期日から30日以内 |
| 期日を決めなかった | 受け取った日が支払期日とみなされる |
フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)は、従業員を使わない個人などに仕事を出す、従業員を使う事業者に、支払期日の決まりを置いています。受け取った日から60日以内で、できる限り短い期間内に期日を決めます。
元請けから受けた仕事を一人親方に出し、再委託であることや元請けの支払期日などを示した場合は、元請けの支払期日から30日以内で決めることができます。一人親方への外注が多い会社は、注文書に元請けの支払期日を書いているかを見直すと、期日の組み方が分かります。
建設工事の外注にどの法律がどう当てはまるかは、取引の形で変わります。迷うときは、外注先との注文書の支払日を守ることを前提に、早めに相談します。
ポイント
- 従業員のいない一人親方は60日の期日も確かめる。
- 再委託を示せば元請けの支払期日から30日以内。
- 注文書の支払日を前提に動く。
外注費が払えない日まで、今日・3日・1週間・1か月で間に合う手
| 支払日まで | 間に合う手 | 中身 |
|---|---|---|
| 今日〜3日 | 外注先への相談・請求書の買取 | ペイトナー・日本資金支援センターは最短即日の入金の表示 |
| 1週間 | 元請けへの相談・でんさい割引 | 支払日の前倒しや部分払い、でんさいを銀行で割り引く |
| 1か月 | 融資の相談・支払条件の見直し | 日本政策金融公庫・取引銀行。審査の日数は窓口で確かめる |
| 毎月足りない | 元請け・外注先との支払条件を組み直す | 締め日と支払日の組み方を変える |
今日〜3日しかないなら、外注先への相談と請求書の買取
残り3日なら、外注先に事情を話して日をもらうことと、元請けあての請求書を買い取ってもらうことの2つ。
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | 外注先に、払える額・払える日を伝えて相談する |
| 2 | 元請けあての請求書のうち、提出済みで金額が確定したものを選ぶ |
| 3 | 請求額に合う買取先に申し込み、手取りと入金日を確かめる |
支払日まで3日しかないと、融資の審査や元請けの社内手続きは間に合いません。間に合う手は、外注先への相談と、元請けあての請求書の買取です。
ペイトナーはサービスの案内で審査後最短即日の入金、日本資金支援センターもサービスの案内で最短即日の入金としています。最短の日数は書類がそろった場合の数字で、実際の入金日は申し込むときに確かめます。
請求書の買取は、元請けにすでに出した請求書が対象です。工事の途中で請求書をまだ出していない分は、先に出来高請求の書き方を確かめて請求書を出します。
ポイント
- 3日なら相談と買取の2つ。
- 最短即日は書類がそろった場合。
- 提出済みの請求書を使う。
1週間〜1か月あるなら、手数料のかからない手から試す
1週間あれば元請けへの相談とでんさい割引、1か月あれば融資の相談まで間に合う。手数料の安い順に試す。
| 手 | 向く場面 |
|---|---|
| 外注先に支払日の延期を相談 | 不足が少なく、数日〜数週間で埋まる |
| 元請けに出来高の部分払いを頼む | 出来高が進んでいて、まだ請求していない分がある |
| でんさい割引 | 元請けからの支払いがでんさい |
| 融資の相談 | 今月だけでなく、来月以降も足りない |
日数に余裕があるなら、手数料のかからない手から試します。外注先の支払日を2週間ずらしてもらえれば、請求書を売らずに済むこともあります。
元請けからの支払いがでんさいなら、期日前に取引銀行で割り引ける場合があります。でんさいネットのよくあるご質問では、でんさいの割引は各金融機関が独自に提供するサービスで、条件は窓口の金融機関に聞くよう案内しています。
融資は審査に日数がかかります。日本政策金融公庫のセーフティネット貸付は、取引条件が悪くなった事業者も対象に含みます。当てはまるか・いつ借りられるかは窓口で確かめます。
ポイント
- 日数があれば安い手から。
- でんさいは銀行の割引を聞く。
- 融資は早めに相談する。
外注費が払えないとき、外注先・職人に支払日を相談する伝え方
| 伝えること | 例 |
|---|---|
| 理由 | 元請けの入金が11月30日で、支払日の11月10日に間に合わない |
| 払える額 | 11月10日に150万円は払える |
| 残りを払う日 | 残りの100万円は12月3日に払う |
| 裏付け | 元請けの注文書の支払条件や支払通知書を見せられる |
支払日の前に、払える額と残りを払う日を具体的に伝える
相談は支払日の前に。全額を待ってもらうより、払える分を先に払い、残りの日付を決めて伝える。
| 伝え方 | 外注先の受け止め方 |
|---|---|
| 支払日を過ぎてから連絡する | 信用を失いやすい |
| 「少し待って」とだけ言う | いつ入るか分からず不安が残る |
| 支払日の前に、額と日付を示す | 外注先も自分の支払いを組める |
外注先も、職人への給料や材料の支払いを抱えています。支払日の前に、払える額と残りを払う日を数字で伝えると、外注先も自分の資金繰りを組めます。
残りを払う日は、元請けの入金日のあと、数日の余裕を見た日にします。元請けの入金日が11月30日なら、12月3日のように、入金を確かめてから払える日を伝えます。
支払日を過ぎてから連絡すると、次の現場で人が集まらなくなることがあります。言いにくくても、相談は早いほど選べる手が増えます。
ポイント
- 支払日の前に連絡する。
- 払える額と残りの日付を示す。
- 入金日のあとに余裕を見る。
労務費に当たる分は、現金で先に払う
外注費のうち職人の手間賃に当たる分は、建設業法で現金払いへの配慮が求められる。分けて払うなら、労務費分を先に。
| 順番 | 払うもの | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 労務費に当たる分(手間賃) | 職人の生活に直結し、現金払いへの配慮が求められる |
| 2 | 材料・機械の費用 | 外注先の仕入れ先の支払日に合わせる |
| 3 | 残り | 元請けの入金のあと |
建設業法 第24条の3 第2項は、下請代金のうち労務費に相当する部分を現金で払うよう適切な配慮を求めています。建設業法令遵守ガイドラインは、労務費相当分に満たない額だけを現金で払い、残りを手形で払う例を、望ましくない行為に挙げています。
外注費を一度に払えないときは、職人の手間賃に当たる分を先に現金で払い、材料や機械の分の日付を相談するのが、外注先の現場を止めない順番です。
社会保険料の本人負担分も、ガイドラインでは労務費相当分に含めて現金払いとする支払条件が望ましいとしています。手間賃の額は、外注先の見積書の内訳で確かめます。
ポイント
- 労務費分は現金で先に払う。
- 材料・機械の分は日付を相談する。
- 内訳は見積書で確かめる。
元請けに部分払い・前倒しを相談して、外注費が払えない月をなくす
| 相談すること | 根拠・例 |
|---|---|
| 出来高の部分払い | 標準下請契約約款 第32条:検査に合格した出来形・搬入材料の9割以上 |
| 前払金の配分 | 建設業法 第24条の3 第3項:元請けが前払金を受けたら、着手の費用の前払いに配慮 |
| 早い支払日の条件 | NIPPO(翌月20日)・世紀東急工業(翌月15日)は資本金4,000万円未満・一般建設業の外注に早く払う |
出来高の部分払いを請求して、入金を工事の途中に分ける
標準下請契約約款では、検査に合格した出来形と搬入した材料の9割以上を部分払いで請求できる形になっている。
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | 出来形部分・搬入した材料の確認を元請けに求める |
| 2 | 元請けが確認し、結果を知らせる |
| 3 | 契約書の定めに従って部分払いを請求する |
工事が終わってからまとめて請求すると、外注費の支払いだけが先に何回も来ます。国土交通省の建設業法令遵守ガイドラインに載る建設工事標準下請契約約款の第32条は、検査に合格した出来形と搬入した材料に相応する額の「10分の〇以内」を部分払いとして請求できる形で、〇には9以上の数字を入れるとしています。
自社の注文書・約款に部分払いの決まりがあるか、何割かを確かめ、あれば工事の途中で請求します。決まりがなくても、次の注文から出来高払いにできるか相談できます。
元請けが発注者から前払金を受けている工事なら、建設業法 第24条の3 第3項で、元請けは着手に必要な費用を前払金として下請けに払うよう配慮することになっています。前払いの有無も聞いておきます。
ポイント
- 約款の部分払いの決まりを確かめる。
- 出来形の確認を先に求める。
- 前払金がある工事か聞く。
資本金や許可で早く払う元請けもある
NIPPOと世紀東急工業は、資本金4,000万円未満・一般建設業の外注先に、ほかより早い支払日を設けている。
| 元請け | 早い支払日 | そのほか |
|---|---|---|
| NIPPO | 月末締め・翌月20日(資本金4,000万円未満・一般建設業の工事外注) | 翌々月10日 |
| 世紀東急工業 | 月末締め・翌月15日(資本金4,000万円未満・一般建設業) | 翌々月15日 |
元請けによっては、小さな協力会社に早く払う決まりがあります。NIPPOは支払条件変更のお知らせで、資本金4,000万円未満で一般建設業許可の工事外注は翌月20日、ほかは翌々月10日としています。
世紀東急工業も支払条件変更のお知らせで、2026年1月締め分から、資本金4,000万円未満・一般建設業は翌月15日、ほかは翌々月15日としています。自社が早いほうの条件に当てはまるのに翌々月で払われていないかを確かめます。
取引先の登録で資本金や許可の区分が古いままだと、早い支払日が当てはまらないことがあります。元請けの担当者に、自社の区分と支払日を聞いておきます。
ポイント
- 早い支払日の条件を確かめる。
- 登録の資本金・許可の区分を見直す。
- 担当者に支払日を聞く。
外注費が払えない月に請求書の買取を使うときの手取りと注意
| 払う外注費 | 要る請求額(計算) | 手数料(振込手数料を含む) |
|---|---|---|
| 10万円 | 11万1,478円 | 1万1,478円 |
| 20万円 | 22万2,589円 | 2万2,589円 |
| 26万円 | 28万9,256円 | 2万9,256円 |
払う外注費から逆算して、売る請求書の額を決める
手数料を引いた手取りで外注費を払えるか。外注費から逆算すると、要る請求額が分かる。
| 順番 | 計算 |
|---|---|
| 1 | 払う外注費 + 振込手数料 |
| 2 | ÷(1 − 手数料の率) |
| 3 | 出た額以上の請求書を選ぶ |
請求書の買取は、請求額から手数料を引いた額が入ります。払う外注費から逆算して、売る請求書の額を決めます。
ペイトナーの料金は手数料一律10%と振込手数料330円なので、外注費20万円を払うには、(20万円+330円)÷0.9 で約22万2,589円の請求書が要ります(計算)。
日本資金支援センターとアクセルファクターは、手数料が見積もりで決まります。見積もりの手取りを外注費と比べ、足りるかを確かめてから契約します。
ポイント
- 外注費から逆算する。
- ペイトナーは10%+330円で計算できる。
- ほかの会社は見積もりの手取りで比べる。
使えない請求書と、避ける契約を先に知っておく
工事が終わっていない出来高や、支払いが遅れている請求書は使えないことがある。買戻しの約束がある契約は避ける。
| 確かめること | 中身 |
|---|---|
| 出来高の請求書 | ペイトナーは担当工事が完了し、入金が確定したものが対象 |
| 支払期日 | ペイトナーは申請日から70日以内 |
| 買戻しの約束 | 回収できないと売主が買い戻す契約は貸金業に当たるおそれ |
ペイトナーの使える請求書の条件では、建築業は出来高支払いで担当工事が完了し、入金が確定している請求書が対象です。すでに支払いが遅れている請求書は対象外です。
金融庁のファクタリングの注意喚起は、回収できなかったときに売主が買い戻す約束があるものは貸金業に当たるおそれがあるとし、高額な手数料で資金繰りが悪くなる危険も挙げています。
個人の給料を売る取引は、事業の資金繰りの手ではありません。一人親方でも、売るのは元請けに出した事業の請求書です。
ポイント
- 出来高は工事の完了が条件のことがある。
- 買戻しの約束がある契約は避ける。
- 給料を売る取引は使わない。
毎月外注費が払えないなら、支払条件と融資を見直す
| 見直すこと | 中身 |
|---|---|
| 外注先の支払日 | 元請けの入金日のあとに来るよう、締め日と支払日を組み直す |
| 元請けへの請求 | 締め日に間に合わせる・電子請求に切り替える |
| 運転資金 | 取引銀行や日本政策金融公庫に、毎月の不足分を相談する |
| 請求書の買取 | 今月だけの手として使い、毎月は使わない |
外注先への支払日を、元請けの入金日のあとに組み直す
元請けの入金日より前に外注費の支払日が来る組み方だと、毎月足りなくなる。次の注文から支払日を組み直す。
| 組み方 | 元請けの入金 | 外注費の支払い |
|---|---|---|
| 毎月足りない組み方 | 月末締め・翌々月10日 | 月末締め・翌月15日 |
| ずれが小さい組み方 | 月末締め・翌々月10日 | 月末締め・翌々月15日 |
元請けが月末締め・翌々月10日で、外注先には月末締め・翌月15日で払っていると、10月分なら外注費は11月15日、入金は12月10日で、毎月25日ほど先に外注費が出ていきます(計算)。支払日の組み方を変えないかぎり、毎月同じ不足が続きます。
次の注文から、外注先の支払日を元請けの入金日のあとに置けないか相談します。外注先が一人親方なら、受け取った日から60日以内の決まりや、労務費分を現金で払う配慮とあわせて決めます。
自社が特定建設業者なら、引渡しの申出から50日以内という期限もあります。組み直すときは、その期限の中に収めます。
ポイント
- 毎月の不足は組み方が原因。
- 外注費の支払日を入金のあとに置く。
- 50日・60日の期限の中で決める。
毎月の不足は融資、今月だけなら請求書の買取
毎月足りない分は運転資金の融資で、今月だけのずれは請求書の買取で埋める。分けると手数料の払いすぎを防げる。
| 足りない形 | 合う手 |
|---|---|
| 毎月同じくらい足りない | 運転資金の融資(取引銀行・日本政策金融公庫) |
| 今月だけ大きな外注費がある | 請求書の買取 |
| 元請けの支払いがでんさい | でんさい割引 |
請求書の買取の手数料は、使うたびにかかります。毎月使い続けると、手数料の分だけ利益が削られ続けます。
毎月同じくらい足りないなら、その額を運転資金として借りるほうが向いています。取引銀行と日本政策金融公庫に、元請けの支払条件の書類を持って相談します。
待てないときの手の順番は、ゼネコンの入金が遅い・待てないときでもまとめています。
ポイント
- 毎月の不足は融資で。
- 今月だけは請求書の買取で。
- 使い分けで手数料を減らす。
外注費が払えない日に間に合わせるなら、請求額に合う買取先へ
| 元請けあての請求書 | 合う買取先 |
|---|---|
| 30万円以下(一人親方・法人) | ペイトナー |
| 一人親方・個人事業主で30万円超〜500万円 | 日本資金支援センター(アクセルファクターと比べる) |
| 法人で30万円超〜500万円 | アクセルファクター(日本資金支援センターと比べる) |
| 500万円超 | アクセルファクター |
外注費の支払日と請求額で、申し込む先を決める
30万円以下はペイトナー。30万円を超えたら、一人親方は日本資金支援センター、法人はアクセルファクターを軸に見積もる。
| 項目 | 確かめること |
|---|---|
| 支払日 | 入金の目安が外注費の支払日に間に合うか |
| 手取り | 手数料を引いて外注費に足りるか |
| 約款 | 譲渡を禁じる決まりと、その場合でも扱えるか |
払う外注費が小さく、元請けあての請求書が30万円以下なら、1万円から申請できるペイトナーが合います。
30万円を超える請求書なら、一人親方は日本資金支援センター、法人はアクセルファクターに見積もりを頼みます。アクセルファクターはよくある質問で、2社間なら元請けに知らせずに使えるとしています。
外注費の支払日に間に合わせる
請求額と、一人親方か法人かを選ぶと、断られにくい買取先が分かります。
ポイント
- 30万円以下はペイトナー。
- 30万円超は2社で見積もる。
- 支払日・手取り・約款を確かめる。
申し込みと同時に、外注先へ払う日を伝える
買取の入金日が決まったら、外注先に払う日を伝える。書類は請求書・通帳・本人確認書類をそろえる。
| 会社 | 書類 |
|---|---|
| ペイトナー | 請求書・本人確認書類(初回)・直近3か月の入出金明細 |
| アクセルファクター | 請求書など・預金通帳・代表者の身分証明書(原則) |
| 日本資金支援センター | 請求書・通帳・本人確認書類 |
書類は、元請けあての請求書と、元請けからの入金が分かる通帳か明細が基本です。アクセルファクターの必要書類の案内では、必要に応じて取引先との契約書なども求めるとしています。
買取の入金日が決まったら、その日のうちに外注先へ払う日を伝えます。外注先の不安が早く消え、次の現場の段取りも崩れません。
2社間で売った場合は、元請けからの入金があったら、決めた日までに買取先へ払います。翌月の外注費の支払日とあわせて、手帳に書いておきます。
ポイント
- 入金日が決まったら外注先に伝える。
- 請求書と通帳が基本の書類。
- 元請けの入金後は買取先へ払う。
外注費の支払日に、元請けの入金が間に合わないとき
元請けあての請求額と事業の形を選ぶと、申し込める買取先が出ます。手取りで外注費を払えるかを、見積もりで確かめてください。
工事の約款には、工事代金を受け取る権利の譲渡を禁じる決まりがあることがあります。請求書の買取を使う前に、注文書・約款のその決まりと、その場合でも扱えるかを買取先に確かめてください。
出典・確認した情報(2026年10月確認)
- 国土交通省「建設業法令遵守ガイドライン(第11版)」
- e-Gov法令検索「建設業法施行規則 第14条(法第24条の6第4項の率)」
- e-Gov法令検索「労働基準法 第24条(賃金の支払)」
- e-Gov法令検索「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律 第2条・第4条」
- 前田建設工業株式会社「工事代金等の支払条件変更のお知らせ(2023年3月20日)」
- 鹿島建設「お支払い条件等の変更について(2026年2月20日)/全社統一の支払条件について(2026年3月2日)」
- 日本道路株式会社「基本支払条件の変更について(2023年8月30日)」
- 株式会社NIPPO「お取引代金の支払条件変更のお知らせ(2021年4月分より)」
- 世紀東急工業株式会社「支払条件変更のお知らせ(2025年12月)」
- でんさいネット「よくあるご質問「でんさいを手形のように割り引いてもらうことはできますか。」」
- 日本政策金融公庫「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」
- ペイトナー「ペイトナー ファクタリング」
- ペイトナー「ご利用料金」
- ペイトナー「よくある質問:どんな請求書が利用できますか?」
- 日本資金支援センター「ファクタリングサービスのご案内」
- アクセルファクター「ファクタリングのよくある質問」
- アクセルファクター「審査に必要な書類や取引完了までの流れ」
- 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
法令は2026年10月にe-Gov法令検索で、国土交通省のガイドラインと各社の支払条件・買取の条件は各社の公式ページを2026年10月に確認した時点のものです。法律が自社の取引にどう当てはまるかは、取引の形で変わります。計算の金額は目安です。
