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元請けには毎月300万円を請求しているのに、材料屋と外注先への支払いが先に来て、通帳の残高がいつも足りない。
手元にいくらあれば回るのか、融資を頼むならいくらか、など、運転資金の額は協力会社が数字で答えにくい悩みです。
同じ請求額でも、元請けの締め日と支払日しだいで、立て替える額は数百万円変わります。
結論
- 運転資金の目安は「請求額×入金までの日数÷30 − 先に払うお金×支払いまでの日数÷30」(計算)。
- 月300万円を請求し、月240万円を翌月10日に払う場合、鹿島建設のCI-NETの請求ならほぼ要らず、日本道路なら約352万円、世紀東急工業(翌々月15日払い)なら約402万円(10月15日に工事をした場合の計算)。
- 支払日が1か月早まると、立て替えは請求額のほぼ1か月分減る。世紀東急工業の資本金4,000万円未満の外注先は、同じ条件で約402万円から約102万円に(計算)。
- 毎月足りないなら融資(日本政策金融公庫の一般貸付は運転資金4,800万円まで)、今月だけ足りないなら請求書の買取。買取の手数料は使うたびにかかる。
入金より先に払う月は、請求額で買取先が決まります
30万円以下の請求書か、一人親方で30万円を超えるか、法人で30万円を超えるかで、申し込める先が変わります。
事業の形と請求額を選んでください。
見積もりは無料。契約しなければ費用はかかりません。
建設業の運転資金の計算方法(入金までの日数と支払いまでの日数で出す)
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 入金を待つお金 | 請求額 × 工事から入金までの日数 ÷ 30 |
| 払うのを待ってもらえるお金 | 先に払うお金 × 工事から支払いまでの日数 ÷ 30 |
| 手元に要るお金(運転資金) | 入金を待つお金 − 払うのを待ってもらえるお金 |
| 工事をした日 | 月の真ん中(15日)とみなす |
式は1行。差が出るのは「入金までの日数」
請求額と支払額は毎月ほぼ同じでも、入金までの日数は元請けごとに16日〜60日ほどの差がある。
| 入金までの日数 | 入金を待つお金 | 手元に要るお金(240万円を26日後に払う) |
|---|---|---|
| 16日 | 160万円 | ほぼ要らない |
| 31日 | 310万円 | 約102万円 |
| 56日 | 560万円 | 約352万円 |
運転資金の考え方は単純です。元請けに請求したお金が入るまでの間、材料・外注・給料を先に払う分だけ、手元のお金で立て替えます。
式にすると「請求額×入金までの日数÷30」から「先に払うお金×支払いまでの日数÷30」を引いた額です。請求額や支払額より、入金までの日数で結果が大きく動きます。
月300万円を請求する会社なら、入金までの日数が25日のびるごとに、手元に要るお金は約250万円増えます(計算)。
ポイント
- 式は請求額と日数の掛け算。
- 入金までの日数がいちばん効く。
- 1日のびると月の請求額の約30分の1増える。
日数は「工事をした日」から数える
月の真ん中の15日に工事をしたとみなし、締め日・支払日までの日数を数える。工事が続く間は、その額をいつも手元に置く。
| 締め日・支払日 | 入金日 | 工事から入金まで |
|---|---|---|
| 当月14日ごろ締め・当月末払い | 10月31日 | 16日 |
| 20日締め・翌月15日払い | 11月15日 | 31日 |
| 月末締め・翌々月10日払い | 12月10日 | 56日 |
1か月の工事は、月初から月末まで続きます。計算をやさしくするため、月の真ん中の15日にまとめて工事をしたとみなします。
10月15日の工事なら、20日締めの元請けは10月20日に締め、翌月15日払いなら11月15日に入金されます。工事から入金までは31日です(計算)。
工事が毎月続く間は、計算した額をずっと手元に置いておく必要があります。毎月その額が新しく出ていくわけではありません。休日の前倒し・後ろ倒しは、元請けの決まりで確かめます。
ポイント
- 工事は15日にしたとみなす。
- 締め日の次の支払日までを数える。
- 計算した額は、工事が続く間ずっと要る。
建設業の運転資金を元請け5社の締め日・支払日で比べる(月300万円の請求の計算例)
| 元請け(支払条件) | 入金日 | 工事から入金まで | 手元に要るお金 |
|---|---|---|---|
| 鹿島建設(CI-NETの請求。10月の請求書締日16日・当月末払い) | 10月31日 | 16日 | ほぼ要らない |
| 前田建設工業(20日締め・翌月15日) | 11月15日 | 31日 | 約102万円 |
| NIPPO(資本金4,000万円未満・一般建設業の外注。月末締め・翌月20日) | 11月20日 | 36日 | 約152万円 |
| 鹿島建設(書面の請求。15日締め・翌月末、100万円以上は10%が翌々月末) | 11月30日・12月31日 | 46日・77日 | 約283万円 |
| 日本道路(外注費。月末締め・翌々月10日) | 12月10日 | 56日 | 約352万円 |
| 世紀東急工業(資本金4,000万円以上など。月末締め・翌々月15日) | 12月15日 | 61日 | 約402万円 |
当月末・翌月払いの元請けは、立て替えが小さい
鹿島建設のCI-NETの請求はほぼ不要、前田建設工業は約102万円、NIPPOの小さい外注先は約152万円(計算)。
| 元請け | 入金を待つお金 | 払うのを待ってもらえるお金 | 手元に要るお金 |
|---|---|---|---|
| 鹿島建設(CI-NET) | 160万円 | 208万円 | ほぼ要らない |
| 前田建設工業 | 310万円 | 208万円 | 約102万円 |
| NIPPO(資本金4,000万円未満の外注) | 360万円 | 208万円 | 約152万円 |
鹿島建設は、全社統一の支払条件の通知で、CI-NETで請求した材料・外注の代金を当月末に払うとしています。請求書の締日は月ごとに決まり、鹿島CI-NETサポートセンターのお知らせでは2026年10月は16日です。
前田建設工業は支払条件変更のお知らせで20日締め・翌月15日払い、2023年5月から全額現金です。工事から入金まで31日で、手元に要るお金は約102万円です(計算)。
NIPPOは支払条件のお知らせで、資本金4,000万円未満で一般建設業許可の外注先を月末締め・翌月20日払いとしています。自社がこの条件に当たるかで、入金が約20日変わります。
ポイント
- 当月末払いなら立て替えはほぼ要らない。
- 翌月払いでも100万円前後は要る。
- 資本金で支払日が変わる元請けがある。
翌々月払いの元請けは、立て替えが300万円を超える
日本道路の外注費は約352万円、世紀東急工業の翌々月15日払いは約402万円。月の請求額より多い額を手元に置く。
| 元請け | 入金を待つお金 | 払うのを待ってもらえるお金 | 手元に要るお金 |
|---|---|---|---|
| 鹿島建設(書面・100万円以上) | 491万円 | 208万円 | 約283万円 |
| 日本道路(外注費) | 560万円 | 208万円 | 約352万円 |
| 世紀東急工業(翌々月15日払い) | 610万円 | 208万円 | 約402万円 |
日本道路は、基本支払条件の変更で、月末締め・翌々月10日払い、外注費は現金100%としています。10月15日の工事は12月10日に入金され、56日待ちます。
翌々月払いの元請けでは、立て替える額が月の請求額300万円を超えます。世紀東急工業の支払条件変更のお知らせでは、資本金4,000万円未満で一般建設業許可の外注先を除き、月末締め・翌々月15日払いです。
鹿島建設の書面の請求は、当月の請求が100万円以上だと90%が翌月末、10%が翌々月末です。300万円の請求なら、入金までの日数は平均で約49日になり、手元に要るお金は約283万円です(計算)。
ポイント
- 翌々月払いは月の請求額より多く要る。
- 同じ元請けでも請求の出し方で変わる。
- 自社の条件で計算し直す。
建設業の運転資金は、先に払うお金の支払日でも変わる
| 先に払うお金の支払日 | 工事から支払いまで | 手元に要るお金 |
|---|---|---|
| 当月末 | 16日 | 約432万円 |
| 翌月10日 | 26日 | 約352万円 |
| 翌月末 | 46日 | 約192万円 |
| 翌々月10日 | 56日 | 約112万円 |
材料屋・外注先への支払日が遅いほど、立て替えは減る
支払日を翌月10日から翌月末にすると、240万円の支払いなら約160万円減る(計算)。
| 支払日の変化 | 減る額(計算) |
|---|---|
| 当月末 → 翌月10日 | 約80万円 |
| 翌月10日 → 翌月末 | 約160万円 |
| 翌月末 → 翌々月10日 | 約80万円 |
運転資金は、入金を待つ日数と払う日数の差で決まります。入金を早めにくいなら、払う日を遅くできないかを考えます。
月240万円を払う会社なら、支払日を1日遅らせるごとに、手元に要るお金は約8万円減ります(計算)。材料屋が締め日を月末にしてくれるだけでも差が出ます。
ただし、支払日をずらす相談は、取引の条件を変えることです。いつから・どの請求からかを、書面やメールで残しておきます。
ポイント
- 払う日を遅らせると立て替えは減る。
- 1日で約8万円(月240万円の場合)。
- 変更は書面で残す。
自社が元請けとして外注先に払う日には、法律の期限がある
元請けから支払いを受けたら、下請けへは1か月以内に払う。労務費に当たる分は現金で払う配慮が求められる。
| 決まり | 中身 |
|---|---|
| 建設業法第24条の3 | 注文者から支払いを受けた日から1か月以内のできる限り短い期間に払う |
| 建設業法第24条の3第2項 | 労務費に当たる分は現金で払うよう適切に配慮する |
| 建設業法第24条の6 | 特定建設業者は、引渡しの申出から50日以内で期日を決めて払う |
一人親方や小さい会社に仕事を出しているなら、自社も元請けの立場です。国土交通省の建設業法令遵守ガイドラインでは、注文者から支払いを受けた日から1か月以内のできる限り短い期間に、下請代金を払うとしています。
外注先への支払いを後ろにずらして運転資金を減らすやり方には、法律の上限があります。労務費に当たる分を現金で払う配慮も求められています。
そのため、ずらす相談は材料屋やリース会社など、工事の下請けではない仕入れ先から始めるのが現実的です。
ポイント
- 外注先には1か月以内に払う。
- 労務費は現金で払う配慮。
- ずらす相談は材料の仕入れ先から。
建設業の運転資金は、元請けの支払条件の変更でどれだけ減るか
| 元請け(変更の時期) | 変更前 | 変更後 | 減る額 |
|---|---|---|---|
| 世紀東急工業(2026年1月締め分から。資本金4,000万円未満・一般建設業の外注先) | 翌々月15日払い:約402万円 | 翌月15日払い:約102万円 | 約300万円 |
| 福田組(2025年5月末締め分から) | 翌々月5日払い:約302万円 | 翌月末日払い:約252万円 | 約50万円 |
| 朝日工業社(工事店。2026年6月検収分から) | 翌々月5日払い:約302万円 | 翌月末日払い:約252万円 | 約50万円 |
支払日が1か月早まると、立て替えは請求額の約1か月分減る
世紀東急工業の資本金4,000万円未満の外注先は、翌々月15日から翌月15日に。立て替えは約402万円から約102万円に(計算)。
| 外注先 | 支払日 | 工事から入金まで |
|---|---|---|
| 資本金4,000万円未満・一般建設業許可 | 月末締め・翌月15日 | 31日 |
| 上記以外 | 月末締め・翌々月15日 | 61日 |
世紀東急工業は、支払条件変更のお知らせで、2026年1月締めの請求分から、工事の下請契約を結んだ資本金4,000万円未満で一般建設業許可の取引先は翌月15日払い・現金100%としています。
支払日が1か月早まった外注先では、手元に要るお金が約300万円減ります(月300万円の請求の計算)。融資の相談をする前に、自社が新しい条件に当たるかを確かめる価値があります。
福田組は2025年4月のお知らせで翌々月5日払いを翌月末日払いに、朝日工業社は2026年5月のお知らせで工事店の支払いを同じく翌月末日に早めました。早まった日数は5日ほどで、減る額は約50万円です(計算)。
ポイント
- 1か月早まると請求額1か月分減る。
- 資本金で早く払う元請けがある。
- 新しい条件に当たるかを確かめる。
手形・でんさいが残る分は、期日まで入金がない
東急建設の建築は現金とでんさいを10%きざみで分ける。現金4割・でんさい6割なら、立て替えは約418万円(計算)。
| 受け取り方 | 入る日 | 工事から入金まで |
|---|---|---|
| 現金(4割・120万円) | 翌月10日 | 26日 |
| でんさい(6割・180万円) | 翌月10日の2か月後の10日 | 87日 |
| 全部を合わせた手元に要るお金 | — | 約418万円(全額現金なら約52万円) |
東急建設は定時払支払条件で、20日締め・翌月10日払い、電子記録債権のサイトは2か月で、決済日は支払日の2か月後の10日としています。
建築工事の外注は、現金支払比率のお知らせで、労務費に当たる額をもとに10%きざみで現金の割合を決めるとしています。労務費が30.1%なら、現金とでんさいは4対6です。
でんさいの分は決済日まで現金にならないため、同じ請求額でも立て替えは約418万円に増えます(計算)。でんさいは銀行で期日前に割り引けますが、割引料がかかります。手形・でんさいの廃止の動きはゼネコンの手形廃止の一覧で確かめられます。
ポイント
- でんさいの分は期日まで入らない。
- 現金の割合で立て替えは大きく変わる。
- 割り引くなら割引料がかかる。
建設業の運転資金が毎月足りないなら、融資を考える(日本政策金融公庫・銀行)
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 融資限度額(運転資金) | 4,800万円 |
| 返済期間(運転資金) | 5年以内(特に必要な場合7年以内)、うち据置期間1年以内 |
| 担保・保証人 | 希望を聞いて相談 |
| ほかの制度 | 無担保・無保証人のマル経融資、使い道で利率が変わる特別貸付など |
計算した立て替え額は、融資の相談でそのまま使える
毎月の請求額・入金までの日数・先に払うお金をそろえると、なぜその額が要るかを説明しやすい。
| 数字 | 出し方 |
|---|---|
| 毎月の請求額 | 元請けごとの請求書の控え |
| 入金までの日数 | 注文書・支払通知書の締め日と支払日 |
| 先に払うお金と支払日 | 材料屋・外注先の請求書、給料の支払日 |
| 手元に要るお金 | この3つから計算した額 |
工事が毎月続き、計算した額が手元の残高より大きいなら、足りない状態は毎月続きます。毎月の不足は、手数料のかかる手で埋め続けるより、返済期間のある融資で埋めるほうが合います。
日本政策金融公庫の一般貸付は、ほとんどの業種の中小企業が対象で、運転資金の融資限度額は4,800万円、返済期間は5年以内(特に必要な場合7年以内)です。審査の結果、希望どおりにならないこともあります。
金利は返済期間や担保の有無で変わるため、申し込む前に公庫や取引銀行で確かめます。元請けごとの入金日と計算した額を見せると、使い道を説明しやすくなります。
ポイント
- 毎月の不足は融資で埋める。
- 公庫の一般貸付は運転資金4,800万円まで。
- 金利は申し込む前に確かめる。
元請けが手形・でんさいで払うなら、国の下請債権保全支援事業もある
元請けあての債権をファクタリング会社が保証・買取する制度で、保証料・買取料に国の助成がある。
| 形 | 中身 |
|---|---|
| 債権の支払保証 | 元請けが倒産したときに保証金が払われる |
| 債権の買取 | 金額が確定した債権(手形など)を買い取る |
| 国の助成 | 保証料・買取料の33%(年率1.5%が上限) |
建設業振興基金の下請債権保全支援事業は、国土交通省がつくった仕組みです。工事代金の債権を、取扱いのファクタリング会社が保証したり買い取ったりし、料金の一部を国が助成します。
手形やでんさいで受け取る分が多い会社では、入金を早める手の1つになります。対象になる債権や期限は制度の案内で確かめ、取扱いの会社に相談します。
融資と違って返済はありませんが、料金は会社ごとに違います。融資と並べて、手元に残る額で比べます。
ポイント
- 手形・でんさいが多いなら候補。
- 料金に国の助成がある。
- 対象と期限を確かめる。
建設業の運転資金が今月だけ足りないなら、請求書の買取を考える
| 足りない理由 | 合う手 |
|---|---|
| 工事が毎月続き、いつも足りない | 融資・元請けや仕入れ先との支払日の相談 |
| 大きな工事の始まりで、今月だけ足りない | 元請けあての請求書の買取 |
| 締め日に遅れて、入金が1か月のびた | 請求書の買取か、仕入れ先への相談 |
| 元請けの支払いがすでに遅れている | 買取の対象外になりやすい。元請けに確かめる |
一度きりの不足は、請求書の買取で入金日を前に出す
元請けあての請求書を売ると、入金日より前に現金になる。融資の審査を待てない月に向く。
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | 元請けに出来高の部分払いや支払日の前倒しを聞く |
| 2 | 材料屋に支払日をずらせるか相談する |
| 3 | 元請けあての請求書の買取を見積もる |
新しい現場が始まる月は、材料と外注の支払いが先にふくらみ、入金は2か月先、ということがあります。翌月から元に戻るなら、不足は一度きりです。
一度きりの不足なら、元請けあての請求書を買い取ってもらい、入金日より前に現金にする手があります。ペイトナーの使える請求書の条件では、建築業の出来高払いは担当工事が完了し、入金が確定している請求書が対象です。
すでに支払いが遅れている請求書は、買取の対象外になりやすいです。元請けの入金が遅れているときは、先に元請けに理由と入金日を確かめます。
ポイント
- 一度きりの不足は買取で埋める。
- 出来高は工事の完了が条件のことがある。
- 遅れている請求書は対象外になりやすい。
買取の手数料は、立て替え額ではなく請求額にかかる
ペイトナーは一律10%+振込手数料330円。25万円の請求書なら手取りは22万4,670円(計算)。
| 請求額 | 手数料の条件 | 手取り |
|---|---|---|
| 25万円 | ペイトナー(一律10%+330円) | 22万4,670円 |
| 30万円超 | 日本資金支援センター・アクセルファクター | 見積もりで確かめる |
手数料は、売る請求書の額に対してかかります。ペイトナーの料金は利用回数に関係なく一律10%で、別に振込手数料330円がかかります。25万円の請求書なら、手数料2万5,330円を引いて手取りは22万4,670円です(計算)。
30万円を超える請求書は、一人親方なら日本資金支援センター、法人ならアクセルファクターが候補で、手数料は見積もりで決まります。
毎月の不足に買取を使い続けると、手数料の分だけ利益が減り続けます。金融庁の注意喚起も、高額な手数料でかえって資金繰りが悪くなる危険を挙げています。
ポイント
- 手数料は請求額にかかる。
- 30万円超は見積もりで比べる。
- 毎月使うなら融資や条件の見直しへ。
建設業の運転資金を減らす、締め日の守り方と請求の出し方
| 出し方 | 入金日 | 手元に要るお金 |
|---|---|---|
| 前田建設工業に締め日までに出す | 11月15日 | 約102万円 |
| 前田建設工業の締め日に遅れる | 12月15日 | 約402万円 |
| 鹿島建設に書面で出す(100万円以上) | 11月30日・12月31日 | 約283万円 |
| 鹿島建設にCI-NETで出す | 10月31日 | ほぼ要らない |
締め日に1回遅れると、立て替えは請求額1か月分ふえる
前田建設工業の20日締めに遅れると、入金は11月15日から12月15日に。手元に要るお金は約102万円から約402万円に(計算)。
| 請求書 | 締め | 入金日 |
|---|---|---|
| 10月20日までに届いた | 10月締め | 11月15日 |
| 10月20日に間に合わなかった | 11月締め | 12月15日 |
締め日に請求書が間に合わないと、その請求は次の月の締めに回り、入金がまる1か月のびます。月300万円の請求なら、手元に要るお金が約300万円ふえます(計算)。
前田建設工業の場合、請求書の提出の締切日は各支店・各作業所に問い合わせるよう書かれています。前田建設工業の締め日と支払日で、確かめ先をまとめています。
運転資金の計算は、毎月締め日に間に合わせている前提です。間に合わない月があるなら、その月の分だけ、計算した額に請求額1か月分を足して備えます。
ポイント
- 締め日に遅れると入金が1か月のびる。
- 請求額1か月分の立て替えがふえる。
- 必着日を現場ごとに確かめる。
電子請求で入金が早まる元請けもある
鹿島建設は、書面の材料・外注は翌月末払い、CI-NETの請求は当月末払い。月300万円なら約283万円の差(計算)。
| 出し方 | 締め | 支払日 |
|---|---|---|
| 書面 | 毎月15日 | 翌月末(100万円以上は90%が翌月末・10%が翌々月末) |
| CI-NET | 請求書締日(2026年10月は16日) | 当月末100% |
同じ元請けでも、請求の出し方で支払日が違うことがあります。鹿島建設では、CI-NETで請求すると、書面より約1か月早く入金されます。
月300万円の請求なら、CI-NETに切り替えるだけで、手元に要るお金は約283万円からほぼゼロになります(計算)。CI-NETは加入の手続きと費用がかかるため、切り替える前に確かめます。
鹿島建設の締め日と支払日の細かい決まりは、鹿島建設の締め日と支払日で確かめられます。ほかの元請けにも、電子請求のほうが早い会社があるかを担当者に聞いてみます。
ポイント
- 出し方で支払日が変わる元請けがある。
- 鹿島建設はCI-NETなら当月末。
- 加入の手続きと費用を先に確かめる。
建設業の運転資金が入金まで足りない月は、請求額に合う買取先へ
| 請求書 | 合う買取先 |
|---|---|
| 30万円以下(一人親方・法人) | ペイトナー |
| 一人親方・個人事業主で30万円超〜500万円 | 日本資金支援センター(アクセルファクターと比べる) |
| 法人で30万円超〜500万円 | アクセルファクター(日本資金支援センターと比べる) |
| 500万円超 | アクセルファクター |
計算した不足額と、買取の手取りを並べて決める
足りない額と入金が要る日を先に出し、手取りがそれを満たす請求書だけを売る。30万円以下はペイトナー。
| 項目 | 確かめること |
|---|---|
| 足りない額 | 計算した立て替え額から、手元の残高を引いた額 |
| 入金が要る日 | 材料屋・外注先・給料の支払日 |
| 売る請求書 | 元請けの会社あてで、工事が終わっている分 |
請求書の買取は、計算で出た不足が一度きりのときに使います。売る前に、足りない額と、お金が要る日を書き出します。
手取りが足りない額に届き、入金が支払日に間に合う請求書だけを選びます。30万円以下の請求書ならペイトナー、30万円を超えるなら一人親方は日本資金支援センター、法人はアクセルファクターが合います。
請求額で、申し込める買取先を選ぶ
一人親方か法人か、請求書が30万円を超えるかを選ぶと、合う買取先が分かります。
ポイント
- 足りない額と支払日を先に出す。
- 30万円以下はペイトナー。
- 30万円超は一人親方か法人かで選ぶ。
買取で乗り切ったら、翌月からの運転資金を見直す
支払日の相談・電子請求・融資で、毎月の立て替えを減らす。買取を毎月の手にしない。
| 手 | 減る額の目安(月300万円の請求) |
|---|---|
| 元請けの新しい支払条件に当たるか確かめる | 1か月早まれば約300万円(計算) |
| 電子請求に切り替える | 鹿島建設なら約283万円(計算) |
| 材料屋の支払日を遅らせる | 20日で約160万円(月240万円の支払い・計算) |
今月を乗り切ったら、翌月からの運転資金を計算し直します。元請けの支払条件は2024年から2026年にかけて変わった会社が多く、自社が早く払われる条件に当たることがあります。
支払日の見直しで立て替えが減れば、買取も融資も要らなくなります。それでも毎月足りないときは、返済期間のある融資を相談します。
入金日と支払日を並べたときの考え方は、ゼネコンの入金まで待てないときでもまとめています。
ポイント
- 買取は一度きりにする。
- 支払条件・請求の出し方を見直す。
- 毎月の不足は融資へ。
建設業の運転資金が、今月の入金までに足りないとき
請求書の額と、一人親方か法人かを選ぶと、申し込める買取先が分かります。手取りが不足額に届き、支払日に間に合うかを見積もりで確かめてください。
工事の約款には、工事代金を受け取る権利の譲渡を禁じる決まりがあることがあります。請求書の買取を使う前に、注文書・約款のその決まりと、その場合でも扱えるかを買取先に確かめてください。
出典・確認した情報(2026年10月確認)
- 鹿島建設「お支払い条件等の変更について(2026年2月20日)/全社統一の支払条件について(2026年3月2日)」
- 鹿島CI-NETサポートセンター「お知らせ(出来高承認締切日・請求書締日)」
- 前田建設工業株式会社「工事代金等の支払条件変更のお知らせ(2023年3月20日)」
- 株式会社NIPPO「お取引代金の支払条件変更のお知らせ(2021年4月分より)」
- 日本道路株式会社「基本支払条件の変更について(2023年8月30日)」
- 世紀東急工業株式会社「支払条件変更のお知らせ(2025年12月)」
- 株式会社福田組「支払条件変更のお知らせ(2025年4月)」
- 朝日工業社「支払方法変更のお知らせ(2026年5月15日)」
- 東急建設株式会社「当社の定時払支払条件(2026年5月公開)」
- 東急建設株式会社「建築版)建築工事の外注支払いにおける現金支払比率の変更および保留金の廃止について」
- 日本政策金融公庫「一般貸付(国民生活事業)」
- 建設業振興基金「下請債権保全支援事業」
- 国土交通省「建設業法令遵守ガイドライン(第11版)」
- 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
- ペイトナー「ご利用料金」
- ペイトナー「よくある質問:どんな請求書が利用できますか?」
- 日本資金支援センター「ファクタリングサービスのご案内」
- アクセルファクター「ファクタリングのよくある質問」
元請けの締め日・支払日、融資の条件、買取先の手数料は、各社・各機関の公式ページを2026年10月に確認した時点のものです。計算の金額は、10月15日に工事をしたとみなした目安で、休日の扱い・必着日・現金とでんさいの割合は注文書・契約書で確かめてください。
